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【つくば 注文住宅】1歳児を抱えての家づくり――スーモカウンタとハウスメーカー業界の「担当ガチャ」

家づくり連載・第2回。

前回(第1回・土地編)で土地の方向性は見えた。次の課題は「どのハウスメーカーで建てるか」だ。

しかし我が家には、特殊な制約条件があった。娘がまだ1歳前。住宅展示場を週末ごとに何件も回るのは、子育て世帯にとって「無理ゲー」と言って差し支えない難易度だ。

展示場って、大人にとっては夢の空間だけど、1歳児にとっては「何時間も拘束される謎の白い部屋」なのよ。15分でぐずり始めて、30分でギャン泣き、45分で強制終了。これを5社分やるって、もはや拷問。
制約条件が厳しいなら、探索方法そのものを変えるしかない。「総当たりで全社訪問」というアルゴリズムは破棄。「事前に候補を絞り込んでから訪問する」という二段階探索に切り替えた。

本記事は、この「絞り込みフェーズ」の記録だ。スーモカウンタを使ったオンライン相談の実態と、住宅業界の「担当ガチャ」という構造的な落とし穴について書く。

目次

「展示場めぐり」という無理ゲー

家づくりを始めた当初、私たちも一般的な王道ルートを想定していた。週末にハウジングセンターに行き、いくつかの展示場を回り、気になるメーカーから話を聞く── それが世間の「正しい家づくり」のはずだった。

だが、子供を抱えての展示場巡りは、想像の3倍消耗する。

1社あたりの打ち合わせは最低でも1〜2時間。そこに移動と昼寝のタイミング、授乳、おむつ替えが絡む。1日で回れて2社、現実的には1社が限界。5〜6社を比較しようと思えば、単純計算で毎週末を3ヶ月潰すことになる。

しかも、子供が機嫌悪い状態で営業さんと話しても、まともに性能とか間取りの話なんて頭に入ってこないのよね。「とりあえず帰りたい」しか考えられなくなる。

ここで私たちは戦略を切り替える。「展示場ありき」をやめて、「絞り込みありき」に変える。事前に候補を数社まで絞ってから、本命だけ展示場で確認する── そのために選んだのが、スーモカウンタのオンライン相談だった。

スーモカウンタ・オンライン相談の実体

スーモカウンタは、リクルートが運営する注文住宅の無料相談窓口だ。要望をヒアリングしてもらい、条件に合いそうなハウスメーカーを紹介してくれるサービスで、利用は無料(リクルート側はメーカーから紹介手数料を得る仕組み)。

コロナ禍をきっかけにオンライン相談が始まっており、娘が昼寝している横で自宅から相談できるのが、当時の我が家にとって決定的に大きかった。

相談はZoom形式で、合計2回ほど実施。1回目は要望のヒアリング、2回目は紹介メーカーの提示と比較解説、という流れだった。

事前準備として、私はExcelで「重視する変数」をリスト化した。耐震性、断熱性能(UA値・C値)、構造工法、保証期間、メンテナンス計画、ライフサイクルコスト(LCC)── 定量化できるものは全て数値で要望を出せるようにしておいた。
私は別軸で「営業さんとの相性」「打ち合わせの進めやすさ」「家事動線・育児動線のイメージ」を整理してた。博士のスペック表だけだと、住んでからの”暮らしやすさ”が抜け落ちるのよね。

この二軸── 定量データ定性的な暮らしの感覚── を持って臨んだヒアリングは、思った以上に有効だった。スーモカウンタのアドバイザーは、こちらの要望を聞き取った上で、それぞれの軸に合いそうなメーカーを横断的に提案してくれる。

最終的に紹介されたのは、以下の5社だった。

  • セキスイハイム(ユニット工法・工場生産・長期メンテ重視)
  • 大和ハウス(大手ゼネコン系・性能と耐震に強み)
  • 三井ホーム(ツーバイフォー・デザイン重視)
  • アゲルホーム(地場系・コストパフォーマンス重視)
  • アイ工務店(中堅・性能とコストのバランス型)

大手から地場・中堅までバランスよく入っており、価格帯も性能傾向もばらけていた。「選択肢の探索範囲を広く取る」という意味では、自分たちで展示場を選んで回るより圧倒的に効率的だったと思う。

スーモカウンタの「物足りなかった点」も書いておく

このブログは「実験報告」を標榜している以上、良かった点だけ書いて終わるのはフェアではない。スーモカウンタを使ってみて、「ここからは自分たちの目利きが必要だ」と感じた領域もある。

具体的には、以下の3点だ。

1. 各社の細かな技術差までは踏み込まない

アドバイザーは住宅業界全般の知識は豊富だが、「セキスイハイムのユニット工法と一条工務店のツーバイの構造的差異は?」のような専門的な比較には踏み込まない。ここは自分で調べる必要がある。

2. 紹介リストはあくまで「候補」、ベストではない

スーモカウンタが提携しているメーカーの中から紹介されるため、提携外の有力メーカー(例えば一条工務店など)は出てこない。あくまで「探索のスタート地点」と捉えるのが正しい。

3. 紹介された担当者の良し悪しは、結局運

これが本記事の核心、後述する「担当ガチャ」の話につながる。

ツールは万能ではない。スーモカウンタは「初期候補集合を効率的に生成する装置」として極めて優秀だが、その後の評価関数は自分たちで設計する必要がある。これは制御工学でも同じだ── 観測装置と制御則は別物だ。
博士の翻訳:「便利な道具だけど、最後は自分の目で見ないとダメよ」って言ってます。

業界最大の落とし穴「担当ガチャ」── 初期条件は固定される

ここからが、これから家づくりを始める方に一番伝えたい内容だ。

住宅業界には、業界全体に共通する暗黙のルールがある。それは──

最初に接点を持った営業担当が、原則そのまま「あなたの担当」として固定される

これは公式ルールというより、業界内の慣習だ。展示場にフラッと立ち寄ってアンケートを書いた瞬間、その時に対応した若手営業があなたの「運命の担当」として確定する。後から「もっと経験豊富な人に変えてほしい」と申し出ても、社内政治的に変更は極めて難しい。

これは制御理論で言うところの「初期条件の固定」だ。系の初期値が決まると、その後の挙動は大きく制約を受ける。家づくりも同じで、最初に誰に当たるかで、提案内容・値引き幅・最終契約まで全てが変わる。担当ガチャと呼ぶべき構造だ。
怖いのは、これを知らずに展示場に行っちゃう人が多いってこと。「ちょっと見るだけ」のつもりでアンケート書いた瞬間、後戻りできなくなる。

では、なぜスーモカウンタ経由が有利なのか。スーモカウンタのアドバイザーから教えてもらった話を、私なりに整理するとこうなる。

  • 展示場には若手営業が配属されることが多い。これは展示場が「新人の研修場所」を兼ねているケースがあるため。
  • 若手営業は決裁権が限られる。値引き交渉や仕様変更で、上司の承認を待つ時間が多くなる。
  • スーモカウンタ経由の客は「本気度の高い見込み客」と認識されるため、各支店のエース級や、場合によっては支店長クラスがアサインされることがある。

つまり、同じメーカーでも、入り口を変えるだけで担当者の格が変わるということだ。これは予想以上に大きな差になる。

同じ製品でも、対応する人間の経験値・決裁権・社内政治力で、最終アウトプットは大きく変わる。これは家づくりに限らず、BtoBの大型契約全般に通じる構造的真理だ。
だから、家づくりを考えてる人には声を大にして言いたい。展示場に行く前に、まずスーモカウンタで予習すべし。これだけで初期条件のクオリティがガラッと変わるから。

5社のうち、どこが最有力に躍り出たか

こうしてスーモカウンタで5社に絞り込んだ我が家。最終的には、ここに自分たちで追加調査したパナホームを加えた計6社を、絞り込み済みの状態で展示場訪問することにした。

そして── 私たちは知ることになる。

5社の中から特定の1社が頭ひとつ抜ける、その決め手が「性能スペック」でも「価格」でもなかったという、家づくり業界では誰も語らない事実を。

次回予告

次回・第3回「6社比較編」では、展示場訪問の現場で何が起きたか、各社の印象と評価軸、そして我が家がどのように6社を比較していったかを書く。

その先には、「最後まで悩んだ意外な2社」と、セキスイハイムが最有力候補に躍り出た決定打が待っている。

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